いま振り返ってみると、
2011年頃の患者(母63歳)のおかしな行動。
(1)夜、寝ない。眠れない。
何時に寝ているのか判らない。
(2)家事をしない。特に料理。
配偶者(父)に家事を押し付ける。
振り返ると「しないのではなく、出来なかった」と思う。
(3)行動が活発。バスや電車で買い物に行く。
しかし、道に迷わない。
そのため、当初、家族は認知症とは思えなかった。
(4)記憶が鮮明。出来事を覚えている。
家族が誤魔化すことができない。
これも、当初、家族が認知症と思わなかった理由のひとつ。
(5)夜に配偶者(父)が寝言で女の名前を言っていると騒ぐ。そして喧嘩。
父は寝言を録音し、言ってない反論する。さらに喧嘩。
ただし、妄想しているのではなく、意地悪で言っている様子だった。
そのため、ただの性悪と思った。
他に、過度な買い物、ゴミ屋敷化、酷い独り言、突然の激怒。
上記(1)から(5)、文章にすると、「おかしい」と判る気がするが、
当時は「元来の性格か、それとも、認知症か」判らなかった。
長年連れ添った配偶者(父)と、
子供の頃を知る母の兄弟(親族)(※看護師で精神科に勤務)が、
「元来の性格だ」と主張した。
一方、同居でなく遠方に住む息子(私)は、
「認知症のピック病だ」と主張。
長年連れ添った配偶者(父)
+子供の頃から知る兄弟(親族) VS 遠方の息子(私)
こんな構図(対立はしてませんが)。
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コウノメソッド後、患者(母)は穏やかになった。
配偶者(父) 「こんなに変わるんだ」
母の兄弟(親族)「穏やかになったから、続けとけ!」
とにかく、お伝えしたいのは、
認知症は、性格なのか認知症なのか、判断が難しい。
長年連れ添った配偶者でも、子供の頃を知る親族でも、
もともとの性格だと思ってしまうほどに、難しい。
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(第03話/全22話)患者と一緒に生活できないほど家族は疲弊
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