コウノメソッド(ウィンタミンとフェルガード)を行うまで、
前頭側頭型認知症(ピック病)の患者(母)の過度の買い物、ゴミ屋敷化に悩まされた。
ただ、一番悩まされたのは、突然の激怒だった。
配偶者(父)は、一番の攻撃対象だった。
父は枯れ木のように痩せてしまった。
今回は、配偶者(父)について、思い出したこと。
(今は元気に過ごしている)
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(1)父は患者(母)と二人きりで、逃げ場がなかった。
また、父は無口な方だったので、
患者(母)の異常な行動を家族にうまく説明できなかった。
そこで、父と姉との連絡ノートを作り、
秘密の隠し場所(姉の車)に置いた。
患者(母)の異常な行動があったら、書くようにした。
(2)患者(母)からの逃げ場として家を買うことを検討した。
何と、道東の町では、一軒家が300万円以下で買えた。
実際に2軒見に行った。
患者(母)が穏やかになったので、購入には至らなかった。
(3)父は「認知症でなく、性格だ。性格だから、なおらない」と思っていた。
また「もし、認知症だとしても、対応する術はない」とも思っていた。
父には、コウノメソッドのことを詳しくは説明しなかった。
父は疲れていたし、父に説明するのは難しかった。
「本州の方で行われている治療法を行う。改善される見込みがある」と伝え、
希望を持ってもらうようにした。
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当時の父について、姉と振り返るとき、
「父だから我慢できた。真面目な父だから、子ども2人が、何とかしようとした」と、
絶賛する。
そして、あの境遇から脱した父を見て、
「真面目にしていれば、人生の終わりあたりでも、報われるんだね」と、
少し上から目線で話す。
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