コウノメソッドの体験談を効率良く参照されたい方は、「目次(時系列に読む)」で「全22話」を順に読むことをお勧めします。「余談」は飛ばして結構です。

2019年6月24日

(第03話/全22話)患者と一緒に生活できないほど家族は疲弊

2019年8月6日更新

患者(母)は、
一般の人がイメージする認知症の状態(物忘れ、道に迷うなど)ではなかった。

ただ、前頭側頭型認知症(ピック病)の症状で、
最悪の人格になったので、家族は疲弊した。

家族を困らせた行動は次のとおり。

(1)過度の買い物
・昼の弁当を買いに行って、布団を買って帰ってくる。弁当はなし。
・毎日ストーブを買ってくる。3日で3台ストーブを買ってきた。
・デパートの隅から隅まで歩き、何か買うものを探す。
 そして、一度「買いたい」と思うと、買わずにいられない
・配偶者の退職金を使い果たす勢いで買い物する。
・必要ないものが家に溢れる。捨てると激怒する。
・家族の制止を聞かない。

(2)独り言
ずっと独り言を言っているので同じ空間(居間)にいられない
・「あれ、あれ、あれが、」と名前が出ないことが多い。
・名前が出てこないので、独り言から、会話に発展しない。

(3)突然怒り出す
・何か気に入らないことがあると、火がついたように怒り出す
・ヤカンを持っていたとき、通りすがりに突然、配偶者(父)の頭をヤカンで殴る。

(4)記憶力が良く、誤魔化せない
・物の存在を覚えている。そのため勝手に処分できない。処分すると怒る。
家族との会話も都合の良いところだけ、覚えている

(5)こだわる
一度「〜する」と思うと、それを行わずにはいられない
 今しなくても良いことを、今したがる。
 それに付き合わされて、家族は疲弊する。
 例1)買い物に行きたいと思ったら、気になって、行くまで気が済まない。
 例2)携帯電話の電話帳に登録したいと思ったら、
    登録せずにはいられない。自分でできないので家族に怒って頼む。

配偶者(父)は、疲弊し、枯れ木のように痩せてしまった
曰く「何かの弾みで、カッとなり、事件をおこしそうだった」とのこと。

なお、これらの(1)から(5)の行動は、
コウノメソッドの開始1ヶ月でなくなり、家族と普通に生活できるようになった。
嘘みたいだった。
「早く言ってよ。こんなに苦しめられたのに」と苦笑してしまった。


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(第04話/全22話)認知症の患者をどのように受診させたか


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