コウノメソッドの体験談を効率良く参照されたい方は、「目次(時系列に読む)」で「全22話」を順に読むことをお勧めします。「余談」は飛ばして結構です。

2019年7月1日

(第09話/全22話)認知症の患者にどのようにサプリメントを飲ませるか

2019年8月8日更新

前頭側頭型認知症(ピック病)の患者だと、
「薬やサプリメントを飲ませること」がとても大変だった。

私たちの行なったことは次のとおり。

1.患者(母)本人は、認知症と知らない
   ウィンタミンを心臓の薬だと思っている

   医師、調剤薬局に対し、
  「認知症の薬だと知ると、薬を飲まないので、
   認知症ではなく心臓の薬ということにして欲しい」とお願いした

            ※  医師によると、実際に心臓が悪いため、興奮させないために、
     ウィンタミンの投与することは問題ないとのこと。

2.それでも薬を飲まないので(怒)、
   私が偽葉書を作って、患者宛に偽葉書を出した
  「○○病院ですが、△△さん薬を飲んでいますか?飲まないと心臓が危険ですよ。
   と偽葉書に書いた。
  
   これは、効果があった。
   家族が投薬を管理するのは限界だった(本人が薬を隠す、怖くて聞けない)
   しかし、飲み忘れると、次第に、独り言、易怒が増えてくる、、、。

   本人が心臓を心配し、本人が習慣で薬を飲むと、とても楽だった。

3.薬を飲む週間をつけるため、携帯電話をプレゼントし、
   アラームで、6時と18時に、「薬の時間」として鳴らした。
   習慣づけのため、1~2ヶ月続けた。
   子どもがプレゼントした携帯電話だったので、喜んで受け入れられた。

4.フェルガードは、認知症との関係はふせ、サプリメントとして家族全員で飲んだ

   フェルガードを家ではなく、別の場所で受け取った。
   梱包を開け、「認知症」に係るパンフレットなどは除いた
   箱に、「母用」、「父用」などと書き、それぞれ自分の箱を飲んだ。

  「ただのサプリメントで、家族が飲んでる」とし、患者(母)の抵抗を減らした
   また、箱の減り具合で、本当に飲んでるか否か判るようにした。
 
   ヨーグルトに混ぜることも検討したが、
   そこまでしなくても、患者が飲んでくれたので、やめた。

5.フェルガードは、突然、家族が飲みはじめた
   患者(母)は、認知症の「こだわり」と、ピック病の反抗のためか、
   言うことを聞かない。また、一度否定すると、くつがえらない。
   患者を説得していると、家族の方が、疲れて、イラだってくる。

   患者(母)には、「周囲の行動につられる」傾向があるので、
   家族が突然、サプリメントを飲み始めた
   患者(母)に説明すると「こだわり」でイチイチ否定するので、「突然」始めた。

6.薬とフェルガードを飲み始めてから、患者(母)に向かって、
   「顔色良いね。調子いいんじゃない?」と患者に何度も言った。
  
   一方、薬とフェルガードを飲み忘れたときは、
   「心臓は大丈夫?!母のことが心配だ!」と
   患者(母)を心配していることを、大げさに伝えた。

余談
 思い返すと、ここまで家族で作戦を立てなければ、
 患者(母)に薬やサプリメントを飲ませることは困難だった。
 前頭側頭型認知症(ピック病)は、本人に病気という意識がない
 そのため、本人が自発的に、病院に行くことや、薬やサプリメントを飲むことがない
 いかにして、家族が患者を受診させるか、薬やサプリメントを飲ませるかが、
 ポイントになると思う。 

次の話へ
(第10話/全22話)コウノメソッド1ケ月後の状況


目次へ戻る