コウノメソッド(ウィンタミンとフェルガード)を行うまで、
前頭側頭型認知症(ピック病)の患者(母)の過度の買い物、ゴミ屋敷化に悩まされた。
ただ、一番悩まされたのは、突然の激怒だった。
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患者(母)が、
「気が短い」「怒りやすい」では表現できない怒り方をするようになった。
何か病的に突然怒り出すようになった。
(1)配偶者(父)がカーテンを閉めた時、少し開いていたら、火の付いたように怒る。
(2)配偶者(父)が犬の散歩後、洗い方が不十分だと、喚き散らす。
(3)お店でドーナツを買う時に、配偶者(父)に「何が良い?」と聞き、
配偶者(父)が答えたら、激怒して罵倒する。何が原因か不明。
(4)天気が悪いと、不機嫌で、一日中ブツブツ文句を言う。
(5)居間から台所へ、ヤカンを持って移動するときに、
すれ違いざまに、配偶者(父)の頭をヤカンで殴る。
特徴としては、
火の付いたように怒る。
スイッチが入ったように怒る。
怒るキッカケが、いくら家族でも、理解できない。推測もできない。
怒ったら会話にならない。
時間が経つと、比較的、ケロっと元に戻る。悪びれない。
患者(母)は61歳の中柄な非力な女性だが、
怒りのエネルギーは凄まじかった。
家族は「いつ怒り出すのか」とビクビクだった。
私が「変だ」と思ったのは、
患者(母)と同居する姉から、次の発言を聞いたときだった。
「母が見張っているから、外出できない」
「外出するのに、母に何て言えばいいか判らない」
「母に怒られる」
姉は、30代で社会人なのに、母にビクビクして暮らしていた。
母の顔色を伺って暮らしていた。
コウノメソッド(ウィンタミンとフェルガード)の後は、怒らなくなった。
最初の変化だった。1ヶ月で怒らなくなった。
これは本当に助かった。
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ただ、私と姉に、突然の激怒はダメージを与えた。
幼い頃から、患者(母)に、理解不能な理由で、突然、激怒されて育ったので、
怒る人が怖くて仕方ない。
職場や、街中で、怒鳴っている人を見かけたり、
暴力的な大きな音がすると心臓がドキドキし、思考が止まる。
DV体験者の方も「大きな音がするとビクつき、止まってしまう」という。
それを聞いて、私と姉は「同じなのかな」と話し合った。
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